メメント

両手いっぱいの好きなものについて

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

THE BACK HORN「生まれゆく光」|この光が照らし出す命について

滔々と流れるような六弦につつまれる歌。山田将司の声がとにかくよく映える。静かに、訥々と編まれる言葉に込められた祈りに耳を傾ける。 これらの言葉にたしかな重みと想いが宿り、矢が放たれるように聴き手をめがけて一直線に声と音が届く。悠然としたこの…

THE BACK HORN「罠」|忘れぬまま携えていたいと思う痛みについて

「罠」はTHE BACK HORNの16枚目のシングルで、ライブでもお馴染みの楽曲である。個人的には、「罠」もどことなく新しい曲というイメージが今もなおある。 しかし「罠」が発売されたのは2007年である。もう15年以上も前のことだという事実に震撼せずにはいら…

THE BACK HORN「人間」|生命を端緒とした思想

かじりつくように歌われるところが印象的な「人間」。歌詞に登場するカタカナが醸し出す雰囲気は、無機質で冷たく、機械的な印象をも与える。指示された言葉をロボットが画一的に出力するみたいに、なぞられた言葉がここでは吐き出されているかのようだ。 情…

THE BACK HORN「グラディエーター」|迸る命

ちょっと待って「グラディエーター」ってこんなにかっこよかった!!!!?すごく久しぶりに聴いたけれど、あまりにも鯔背で度肝を抜かれました。 前の曲である「蛍」にすべてを持ってかれて、完全に心ここにあらずのまま「グラディエーター」を聴いていたこ…

THE BACK HORN「蛍」|駆け抜ける日々のなかで消えないもの

「蛍」を聴いたのは、真夏に開催した灼熱のマニアックヘブンが記憶に新しい。あれはたしか2019年のことだ。 マイクをフロアに向かって遠く伸ばす山田将司。たしか、2つ目のサビだった。見事なまでに覚束ないフロアの様子を見てやさしく微笑んでいた山田将司…

THE BACK HORN「白夜」|暗闇が魅せる化学反応

マニヘブか通常のライブか記憶が定かでないけれど、「白夜」は結構聴いたことがあると思う。ライブでの「白夜」ってめちゃくちゃ盛り上がりますよね。アップテンポな曲だから盛り上がるわけではないことを「白夜」はいつも気付かせてくれる。あの盛り上がり…