メメント

両手いっぱいの好きなものについて

2020-01-01から1年間の記事一覧

百行書きたい話

今まで「諦めてきたこと」に想いを馳せる。諦めたと言えるほど、心血を注いだものがなかったことに気付く。辛酸をなめる前に途絶えた点、おそらく線と呼べるほどの軌跡はない点。投げ出して放棄した数々。それらのなかで忘れられずにまだ燻っている意志を、…

光について

3年ほど前に書き残した言葉に触れる機会があった。今思えばそうした言葉の数々も、ちょっとした笑い話にもなっている、とはいえ、当時は辛酸舐めるほかなく、打ちひしがれる日々だった。どこまでいってもあるのは否定、それも自己による、間断なき否定。自分…

よくある空しい話

これはありふれたよくある空しい話。 不定期ではあるのだが、「生きていてはいけない」という確信に襲われることがある。 希死念慮というよりは、或る種の義務が腑に落ちている状態。大した破壊衝動はないから、身体に空いた穴が増えるくらいが関の山だ。本…

花の嵐

気付けば世界は彩に溢れて、目がチカチカする。そんな季節が巡ってきた。風の匂いからもそれは顕著に感じられて、冬が去ることを名残惜しく思う。この冬は、雪に会わずに終わってしまった。 冬に蒔いた数多もの抑鬱が萌芽する春、いつもより幾許か饒舌になる…