メメント

両手いっぱいの好きなものについて

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『断片的なものの社会学』

出会いというのは、何も人とのそれを意味するわけではないことを改めて実感したのは、恥ずかしいことについ最近のことだ。それは音楽、それは読書。ものすごいスピードで私の目の前から過ぎ去っていく人やモノ。それらをたまたま知って、たまたま掬う。そん…

手放せるそのときまで

1月6日。豊川稲荷別院へ足を運んだ。年明け早々、ご縁を断ち切ろうと、目論んで。 思った以上に大きな神社で、大本命の叶稲荷をなかなか見つけられず、友人と彷徨いながら、ようやく辿り着けたのだった。 境内は参拝客で賑わっていたのに、叶稲荷の周りには…

金色に散りばめられた悲しみについて

「黒地に花が舞ったようなイメージ」だと、彼はそう言った。 振り返れば遥か遠く。汗ばむ陽気に、グレーのジャケットを纏って初夏。現実に起こったことであったのか、ひどく現実味が薄くて、訝しいくらいに遠い遠い昔。そうした記憶が奥深くに沈潜しては浮か…