2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧
喉が引き裂かれそうになるまで、一心に、幸せであることを希ってくれる人たちがここにいる。これ以上ない幸せが、「泣いている人」という歌には詰まっている。壮大な音のなかにすっくと佇む祈り、希い、慈愛。この一曲のなかには、幸福が漲っている。大仰に…
「さらば、あの日」という歌は、両手いっぱいの切なさを集めて花束にしたみたいな曲だと、ふと思った。 それはきっと花が咲くのを願う描写が差し挟まれているからかもしれない。あまりにも短絡的すぎる発想だけれど、「さらば、あの日」という歌が切なさの集…
「ひとり言」と言うからには、取り留めもなく語られる何かを想像していた。が、このひとり言には「友達」という明確な宛先がある。しかもこれは、おそらく伝えきれなかった、あるいは、伝えられなかった言葉として残留している「ひとり言」である。 そんなふ…
こんなにも暗澹たる「茜空」が存在していることに、私は感動のあまり身震いしている。これは一層強い賞賛を意味する主張であることをあらかじめ断っておきたい。 「茜空」という言葉を耳にするとき、私が真っ先に連想するのは、言葉のとおりに茜色に染まった…
このアルバムと同じ名前を持つ「甦る陽」。この曲は、肩の力が抜けるように、やさしくて朗らかな前奏が印象的である。「甦る陽」を聴いていると、とても穏やかな気持ちに包まれる。飾ることなくこの曲に浸ることができるし、思わず口ずさみたくなるし、音楽…